物件名 ホテルSH
所在地 ***
探索日 2005年10月
廃墟日 不明。わりと最近と推測
分類・規模 宿泊施設(結婚式場併設型)
撮影者 TEL
写真コメント pcfx


結婚式場を兼ねるホテル。上階の部屋に電気がついているように見えるが、反射。



民家のような建物とビルに分かれる。



入るとすぐにフロント。カフェやロビーもあった。



フロントは落ち着いた色合い。



「化粧室」ではなく「美粧室」。「化粧室」と書くとトイレと間違える人がいたのだろう。



その美粧室の中。赤いイスだけがこの部屋の目的を物語る。



そのイスの一つに、履歴書が無造作に放置。



孝典は料理をしたくて、ここを希望した。



神前式スタイル。葬式はルーツの宗教が重視されるが、結婚式は軽視される。



披露宴会場。葬式では死体が披露されるが、結婚式では新郎新婦が披露される。



その会場もこれでもかと荒らされている。その目的はなにか。



お目出たい金屏風も、今は破れ燻みきる。



こんなものまで持ち込まれている。しかし普通、乳房を「ぶっとい」とは表現しない。



豪華な雰囲気を醸し出す照明装置も、今では頭上の危険物になり果てた。



式を挙げた二人の影。光学的瞬間。この宇宙は光と時間の均衡で成り立っている。



引き出物と吹き出物は似ている。形骸化して何のためにしているのか不明な習慣。



転がるBB弾。サバゲーマーは結婚式場でもテロ活動に余念がない。



さて、ホテルの客室には、廃墟になってから誰かが棲んでいた形跡が残る。



ジャケットまで残されている。仕事をしながらここに隠れ棲んでいたらしい。



残ったメモには、業者への支払い残高が記されていた。



そして大量のゴミ。弁当の容器・酒ビン・古雑誌・古本・エロ本。ここで誰かが孤独に戦った。



元が寝泊まりする場所だけあって、廃墟後もある程度快適だったのかもしれない。



宴会場は未だに生ビール祭り。散らばる意味不明なゴミで祝う。



パンフレットにはモデルの女性が艶やかな着物姿で影を残す。



日本の美とはケとハレ。普段は詫び寂び、節目では貯めていた色彩を一斉に放つ。



西洋の美には、そのコントラストが希薄。しかし女性は服装のための儀式を好む。



宴会場の回転テーブルに赤いロウソクを垂らした跡。ここで何をしたのだろうか。



その円卓にはパンフが。青空の下、現役時代の施設が映える。



今はゴミが散乱する廃墟も、過日には煌びやかな空間だった。


1階にはお食事処。「開運」というめでたい名の酒。



生け簀があり、ここで泳いでいた魚を目の前で調理した。



血の跡のように散らばる紅葉のバラン。



新郎新婦の始めての共同作業は、大抵これ。婚前交渉当たり前の時代の形骸。



燃え尽きた蝋燭のように二人の愛も燃え尽きませんように。



物件の感想 by TEL

結婚式場の併設されたホテルです。
結婚式場があるゆえの関連施設があり他のホテル物件と違っていて興味深いです。

しかし、まだ廃墟として新しく人的な荒廃在るのみで味のある自然荒廃は見られません。

BB戦士の戦場になっており、BB弾が各フロアにばら撒かれています。階段では特に
注意が必要です。


式の写真を撮る、写真室。
花嫁さんが飾られる美粧室。
ウエディングケーキの残留物。
神前式の祭壇。

廃墟となった今でも在りし日のこの場所が一生の思い出の場所になっている方も少な
からずいらっしゃるはず。

我々はそっとこの場所を立ち去りました。



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